採用実績
伝熱フィンを巻き付けて冷却水の温度を低下
課題:冷却水の温度を低下させたい
- 昨今の環境変化により、夏季の気温が上昇しているため、冷却塔の能力が設計時の想定より低下した
- 冷却水が設計値より冷えないことで、該当の冷却水を使用している設備の生産性が落ちている
- 生産が継続できている状態で、新規の冷却塔や熱交換器の導入はハードルが高い
某化学プラント様では、冷却塔で処理された冷却水の温度が、近年の環境変化により十分に下がらないという課題を抱えていました。特に夏季は気温上昇の影響を大きく受け、冷却塔の能力が設計当初よりも相対的に低下し、冷却水が十分に冷えきらない状況に陥っていました。その結果、冷却水を使用する下流設備の処理効率が落ち、生産性の低下にもつながる事態が発生していました。本来であれば冷却塔の増設や高性能な熱交換器の導入といった抜本的な対策が考えられますが、これらの対応には多額の初期投資と工事期間が必要です。また、既存設備が稼働している中での入れ替えや大規模な改修は、工程への影響も大きく、簡単に実施できる選択肢ではありませんでした。そこで、既設の冷却水配管や設備を有効活用しつつ、外部からのシンプルな手段で冷却性能を補強する方法が求められていました。
効果:配管外側用伝熱フィンを採用したことにより冷却水の温度が低下した
- 配管にフィンを巻きつけたことで冷却水温度が5℃以上低下し、生産性向上につながった
- 配管外側用伝熱フィンは配管の外側に巻きつけて設置するだけで効果を発揮するため、
熱交換器等を設置する場合と比較してランニングコストが不要となり省エネになっている
本案件では、冷却水を通す配管の外側に、当社製の薄板金属製伝熱フィンを後付けで設置する方法を採用いただきました。フィンの設置によって配管表面積が拡大し、自然放熱の効果が向上。これにより、冷却水の温度を従来よりも5℃以上低下させることができ、冷却不足により低下していた設備の処理能力を回復させ、生産性の向上につなげることができました。配管の外側に巻き付けるだけで効果を発揮する構造のため、大型の熱交換器のような専用設備と比べて設置・運用にかかるコストが抑えられ、ランニングコストも不要。冷却性能の強化と省エネ化を同時に実現できる手段として、お客様からも高く評価いただいています。設備を止めずに段階的に導入できる柔軟性もあり、今後の他設備への展開も視野に入れた導入事例となりました。

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