概要
近年、燃料として実用化が進められている水素(H2)を得る方法の一つとして、触媒を用いたアンモニア(NH3)の分解がある。この反応は現状良く知られている触媒では600℃を超える高温で進行するため、得られるガスも高温となる。ガスを冷却する手法の一つとして、配管外面に弊社フィン部品を設置することで、どの程度の効果が期待できるか熱流体解析を実施して確認する。
解析モデル・条件
解析条件
配管内 流入:10m/s、水素、500℃ 流出:大気開放
周囲環境 25℃、乾燥空気、無風(自然空冷)
フィン・配管材質:ステンレス(SUS304)
解析結果
・水素出口温度平均値
フィン無し:392℃ フィン有り:302℃
→ 水素からの放熱量が増加しており、
フィン設置による熱伝達効率の向上が見られた。
今回のモデルでは、フィン無しの場合と比較して
84%程度の性能向上となった。
今回の解析では放射の影響を考慮していないが、
フィンの設置で表面積が増大しているため、
実際には更に高性能化すると考えられる。
また、フィンを複数設置することで更に温度を下げる
ことが可能であるが、水素ガスと外気温との差が小さくなっていくため、フィン1個当たりの効果は減少していく。