概要
弊社では自社開発したフォールディングフィンに対して改良を加えた、スリットフォールディングフィン(FFSL)を販売している。このフィンはスリットの存在により、通常のフォールディングフィンが曲がらない方向にも屈曲させることが可能である。今回は配管の外側にスリットフォールディングフィンを設置することで、流体温度がどのように変化するか実測で確認する。
測定装置・条件
・測定内容
25Aスケジュール10Sステンレス配管に熱風を流す。
配管内の中心、上流側と下流側の2箇所で流体の温度を測定する。
フィンは2箇所の温度測定点の間に設置する。
フィンの方向は2種類あり、流体流れに平行方向と垂直方向の2種類(下図参照)になる。
フィンの冷却状態は対流の影響がない自然空冷(横置きと縦置き)と、ファンを用いてフィンの周辺に風を送る強制空冷とした。
・測定条件
管内流入熱風:約82℃(横置き)、約70℃(縦置き)、48L/min
周囲気温:約25℃ 強制空冷風速:2、4、6.6m/s(強制空冷は横置きだけで実施)
フィンと配管の間に隙間を埋めるTIM無し
測定結果
・配管内温度低下量(横置き・自然空冷)
フィン無し:5.2℃
FFSL平行方向:5.9℃ FFSL垂直方向:6.0℃
→ 適切な方向でFFSLを1個設置するだけで流体中心部の温度が約0.8℃低下すると確認できた。
・配管内温度低下量(縦置き・自然空冷)
フィン無し:4.2℃
FFSL平行方向:5.1℃ FFSL垂直方向:4.9℃
→ 適切な方向でFFSLを1個設置するだけで流体中心部の温度が約0.9℃低下すると確認できた。
※流入時の熱風温度が低いため、温度低下量が横置きより小さい。
・配管内温度低下量(横置き・強制空冷)
フィン無し:4.85~5.29℃
FFSL平行方向:5.46~5.71℃
FFSL垂直方向:5.50~5.70℃
→ 適切な方向でFFSLを1個設置するだけで流体中心部の温度が0.65~0.42℃低下すると確認できた。