薄板放熱フィンで配管・放熱管・金型・設備等の熱交換効率拡大

熱との戦いが続く樹脂・プラスチック成形工程

2025.7.14

樹脂成形工程の熱対策に放熱フィンが効果的。局所的な温度上昇を抑え、製品寸法や品質の安定、生産効率を向上

金型やシリンダー内部を一定温度に保つための冷却回路や加熱機構が複雑化

樹脂・プラスチック製品の成形加工では、加熱・溶融・押出・冷却といった熱の制御が品質と生産性を左右します。とりわけ押出成形や射出成形の分野では、金型やシリンダー内部を一定温度に保つための冷却回路や加熱機構が複雑化しており、これらの熱制御の精度が製品寸法、強度、光沢などに大きな影響を与えます。しかし近年、設備の高速化やコンパクト化に伴い、「局所的な温度上昇」「冷却不良による寸法バラつき」「生産設備のオーバーヒート」といった課題が顕在化しています。製品精度と歩留まり、そしてエネルギー効率の両立が、樹脂成形業界にとっての新たな技術課題となっているのです。

放熱設計の盲点 ― 配管まわりの熱が悪さをしていないか?

多くの樹脂加工設備では、温調機器や冷却水チラーを用いた冷却制御が導入されていますが、実はその“つなぎ目”である配管が、放熱のボトルネックになっているケースが多く見られます。たとえば、配管の外周が高温になり、周囲の機器に熱影響を与えている内部の熱が効率的に流体へ伝わらず、冷却反応が鈍いといった問題が製品不良や設備の劣化を引き起こしています。これは、設計段階で配管を「流体の通路」としてのみ捉え、放熱や伝熱という観点が欠落していることが主因です。今求められているのは、配管そのものの熱性能を改善するアプローチです。

「外から」「中から」冷やす最上インクスの3つのフィン技術

こうした課題に対応する技術として、最上インクスは3種類のフィン製品を展開しています。
まず、「パイプ・配管 外側巻き付けフィン」は、既設配管の外周に工具不要で巻き付け、放熱面積を拡大して自然対流・空冷効果を高める外付け型フィンです。冷却効率の向上とともに、機器周囲の温度環境も安定化し、作業者の安全性向上にも貢献します。
次に、「パイプ・配管・流路 内側挿入フィン」は、管内に挿入することで流体との接触面積を増やし、伝熱性能を強化する製品です。冷却時間の短縮、温調レスポンスの向上が期待でき、省エネ運転に繋がります。
さらに、「その他 用途 各種フィン」は、加熱エリアや大型配管の放熱向けに最適な製品で、安定した高放熱性能と耐久性を兼ね備えた構造が特長です。

実装による成果 ― 精度、安定性、省エネのトリプル効果

樹脂加工機メーカーのある導入事例では、成形機の冷却水戻り配管に巻き付けフィンを施工した結果、表面温度が低下。周辺の電気制御機器の誤作動が解消され、生産停止のリスクが軽減されました。また、内側フィンを使って冷却管内の熱交換効率を改善した工場では、設定温度到達時間が約20%短縮し、製品1ショットあたりのサイクルタイムが改善。これにより、生産性向上と消費電力の削減が同時に実現されています。スタンダードフォールディングフィンについても、押出ラインのヒーター周辺に設置することで、周囲温度の上昇抑制と冷却ファンの稼働回数の削減に繋がったという報告があります。

樹脂成形の未来を支える“賢い熱設計”へ

樹脂・プラスチック成形工程において、熱管理は“生産の裏方”でありながら、全工程の精度・効率・品質を支配する重要なファクターです。最上インクスの3種のフィン技術は、「配管の内外から熱をコントロールする」発想で、従来の放熱対策を一歩進めた柔軟かつ実装性の高いソリューションです。これらを組み合わせることで、省エネ・省コスト・品質安定のトリプルバランスを実現できます。今後の成形設備設計・改修・予防保全の中で、「配管に何を足せるか?」という視点から、ぜひ熱設計の見直しを図ってみてはいかがでしょうか。

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