薄板放熱フィンで配管・放熱管・金型・設備等の熱交換効率拡大

精密を極める半導体製造装置に立ちはだかる“熱の壁”

2025.11.10

半導体製造装置の熱課題に対応する放熱フィンの重要性を示す画像。高密度機器内の熱管理に放熱フィンが効果的であることを表現。

温度制御は工程安定の最重要因子の一つ

半導体製造装置は、ナノメートル単位の精密加工を実現するための最先端設備であり、その性能は製造業の中でも極限の制御精度を要求されます。エッチング装置、CVD、PVD、洗浄装置、露光装置など、各プロセスにおいて温度制御は工程安定の最重要因子の一つです。わずか数度の温度変動が歩留まりに直結するため、チャンバーや配管、冷却系統の温度バランス維持は不可欠です。しかし、装置の小型・高密度化が進む中、熱のこもりや放熱不足といった“熱的課題”が深刻化しており、これが装置寿命の短縮や消費エネルギーの増大、環境負荷の増加を引き起こしています。

配管単位の放熱制御が工程安定の鍵を握る

半導体装置内では、冷却水や薬液、ガスなどが複雑なルートで配管を通過していますが、その配管からの想定外の放熱や熱滞留が、微細工程の乱れにつながるケースが多く報告されています。特に薬液供給配管や真空ライン、加熱チャンバーと冷却ユニットを接続する中間配管では、温度のムラが生じやすく、冷却過多や過熱が起きるとプロセス変動・装置停止・再加熱の無駄なエネルギー消費といった悪循環を招きます。そこで有効なのが、パイプ・配管 外側巻き付けフィンパイプ・配管・流路 内側挿入フィンといった熱制御を目的とした構造補強部材の導入です。これらは放熱面積を物理的に拡張し、熱の拡散をコントロールすることで、配管単位での精密な熱設計を可能にします。

スタンダードフォールディングフィンによる高密度冷却の実現

最上インクスが開発した「スタンダードフォールディングフィン」は、金属フィンを蛇腹状に折り曲げて配管に巻き付ける高機能部材であり、限られた空間でも大きな放熱性能を発揮できるのが特長です。半導体装置においては、装置背面の冷却ラインや加熱ユニットからの戻り配管、ガス供給ユニット周辺など、設置スペースが限られる一方で高効率な放熱が求められる部位に最適です。また、ステンレスやアルミといったクリーン環境対応素材で製造可能なため、クリーンルーム内でも安心して使用でき、かつ後付けで容易に施工できることから、既存装置への省エネ対策にも柔軟に対応します。冷却ユニットの負荷軽減や、部品温度の平準化により、装置のトータル寿命延伸にも貢献します。

放熱制御による省エネと環境負荷低減の効果

高精度な熱管理を実現することで、装置全体の冷却効率が向上し、チラー・ポンプ・空調の電力使用量を大幅に削減できます。これにより、CO₂排出量の抑制や機器の過剰稼働回避といった環境面での波及効果が期待できます。また、温度の均一化により再加熱や冷却の“ムラ”を防げば、エネルギーの使用効率が高まり、エアコンプレッサーやチラーの能力を小型化することも視野に入ります。さらに、配管部の温度変動を抑えることで薬液の化学特性も安定し、廃液の発生量削減や生産ロス低減にも寄与。こうした“ミクロな熱改善”が、SDGsやESGを推進する半導体製造業界において、競争力強化と環境対応の両立に貢献するのです。

半導体製造の未来を支える“熱の見える化と制御技術”

半導体製造装置は、性能を限界まで引き出すために、装置設計のすべての要素が最適化される必要があります。その中でも配管の熱設計という“見えにくい領域”が、今後ますます重要性を増していきます。パイプ・配管 外側巻き付けフィンパイプ・配管・流路 内側挿入フィンスタンダードフォールディングフィンは、微細な温度差を是正し、装置全体の安定性と効率を底上げする“補助技術”として、半導体製造現場に大きな価値を提供します。次世代の製造装置開発では、ナノレベルの精度とマクロレベルのエネルギー効率を両立するために、こうした放熱設計の進化が不可欠となるでしょう。

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