第1回:自動車に使われる熱交換器あれこれ
2021.10.14
元デンソー認定プロフェッショナル
夢双造研究所 大原敏夫
(㈱最上インクス 技術アドバイザー)
自動車には数多くの熱交換器が使われています。以下に主な用途と名称をご紹介いたします。
- エンジン冷却水を冷やす「ラジエータ」
- エンジンオイルを冷やす「オイルクーラ」
- カーエアコンの冷風を作る「エバポレータ」
- 冷媒を液化する「コンデンサ」
- エンジン冷却水から熱をとって温風を作る「ヒータコア」
などがあります。近年はエンジンの過給ダウンサイジング、燃費向上ニーズやHV.EV車など電動化が進んだこともあり、以下の様な新パワトレイン分野の熱交換器も増えています。
- エンジンに送り込む空気を圧縮した後に冷却する「インタークーラ」
- 排気ガスを冷却して再度エンジンに送り込む「EGRクーラ」
など新たな熱交換器があります。 「EGRクーラ」はノッキング防止や燃費改善にも効果があります。また電動化に伴い、半導体基板の発熱を冷却する仕組みが必要になりました。仕組みとしては「空冷」「水冷」方式があり、空冷で冷却を補えない場合は水冷を使います。代表的なものでは、HV.EV車に使われる直流、交流変換インバータを冷やす用途に使われている「インバータ冷却器」などがあります。他に冷やすべき電子機器としてはバッテリーやカメラ、ナビ、エンジンECUなどがあります。
車に使われる熱交換器は車内の限られた空間に搭載されるため、小型化や燃費対策として過去より常に超軽量化が強く求め続けられております。次回コラムからはいかにして超軽量化が進化し、その際どの様な技術的課題を解決してきたかなどをお話させていただきます。