薄板放熱フィンで配管・放熱管・金型・設備等の熱交換効率拡大

モーター周辺機器に潜む放熱課題とそのリスク

2025.5.29

再認識される放熱の重要性

近年、モーターの高出力化・小型化が進む中で、制御盤や冷却装置、潤滑・冷却用の配管など、周辺機器における放熱の重要性が再認識されています。特に、冷却水や潤滑油を循環させる配管部位における温度上昇は、モーター本体の発熱と重なって熱だまりを引き起こし、全体の冷却効率を損なう要因となります。温度上昇は、装置の誤動作、寿命短縮、異常停止を招く危険性があり、製造ライン全体に波及するトラブルの種となり得るのです。

従来の冷却手法とその限界

モーター周辺の放熱対策としては、ファンによる強制空冷や水冷ユニットの設置、ヒートシンクの使用などが主流です。しかしこれらは装置単体の対策にとどまり、配管系統全体の熱的影響を見逃しているケースも少なくありません。また、既設の配管に対しては冷却手段が限定的であり、「高温になってもそのまま使用している」という現場も多いのが実情です。現場では「触ると熱くて危険」「配管の周囲に熱がこもる」「流体温度が下がらない」といった声が聞かれます。

配管からの熱放散に特化した新たなアプローチ

こうした課題に対し、注目を集めているのが配管巻き付け型フォールディングフィンによる放熱ソリューションです。これは、最上インクスが開発した製品で、金属製の折り畳み式フィンを既存配管の外周に巻き付けることで、表面積を飛躍的に増加させ、空冷効果を高めるものです。配管そのものを改造する必要がなく、施工も容易なため、モーター設備や周辺機器の後付け冷却対策として非常に適しています。特に、モーター周辺の狭小スペースにも柔軟に対応できる点が評価されています。

具体的な効果と活用シーン

フォールディングフィンの導入により、配管表面の温度は従来に比べて10~25℃程度低下することが確認されています。また、自然対流だけでなく空冷ファンと組み合わせることで放熱効果が飛躍的に向上し、モーター周囲の熱環境が安定することで装置寿命の延伸にもつながります。冷却水配管や油圧配管、チラー出口のパイプラインなど、「目立たないが熱の逃げ場となるべき部分」にピンポイントで活用することで、熱ダメージの拡散を防ぎ、設備全体の信頼性向上を実現できます。

今後の放熱設計に求められる考え方

今後のモーター冷却設計には、装置単体の温度管理だけでなく、周辺の熱の流れや蓄熱ポイントに着目した“面”での熱対策が求められます。特に、設計変更が難しい既設ラインにおいては、簡易・低コストで導入可能な対策が鍵となります。その点において、フォールディングフィンは「巻き付けるだけで冷える」という革新性と現場実装性を兼ね備えた、理にかなった放熱ソリューションといえるでしょう。モーターの性能を最大限に引き出すためにも、見落とされがちな配管放熱の最適化を、今こそ再検討すべきタイミングです。

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