薄板放熱フィンで配管・放熱管・金型・設備等の熱交換効率拡大

放熱設計の盲点がプラント全体の効率を左右する

2025.7.10

プラント配管の熱対策に放熱フィンが効果的。副系統の温度上昇を抑え、冷却効率や周辺機器の安全性を確保。

熱の管理は設計全体のパフォーマンスに大きく関与

プラント設計において、熱の扱いはきわめて重要なテーマです。機器の冷却効率、流体温度の安定、作業環境の安全性、さらにはエネルギーコストに至るまで、熱の管理は設計全体のパフォーマンスに大きく関与します。しかし現場では、主要装置や熱交換器の熱設計に注目が集まりがちで、配管や配線ダクトなどの副系統の放熱設計は後回しにされる傾向があります。結果として、ライン運転後に「配管が想定以上に熱を持っている」「周囲温度が上がりチラー負荷が増大した」「配管の熱が近隣機器に悪影響を与えている」といったトラブルが頻発しており、設計段階での放熱配慮の重要性が改めて問われています。

現場が抱える課題 ― 冷却設備は万能ではない

従来、こうした熱問題への対応策としては、冷却ファンやチラー設備の増設、保温材の厚み増加、空間設計の見直しなどが挙げられてきました。しかし、これらは装置の追加や設計変更を伴うため、初期コストや設置スペース、保守コストの面で負担が大きいという課題があります。また、特にスペース制約が厳しいコンパクトプラントやスキッドユニットでは、「熱対策したくても物理的に装置が置けない」というケースも少なくありません。こうした状況では、省スペースで後付け可能、かつ高効率な熱対策部品の採用が求められています。

巻き付け型フォールディングフィンが拓く新たな放熱手段

そこで注目されているのが、最上インクス製「配管巻き付けフォールディングフィン」という放熱補助アイテムです。これは、金属製のフィンを既存の配管外周に巻き付けて使用するもので、配管表面積を拡大して自然対流を促進し、放熱性能を向上させるという仕組みです。最大の特長は、工具不要・加工不要で施工できる点であり、設計変更やライン停止を伴わず、稼働中の設備にも簡単に導入可能です。また、アルミやステンレスなどの耐腐食性材料を採用しており、プラント内の多様な環境(高温・多湿・屋外)にも対応できます。

実際の導入効果と3つの“省”への貢献

ある化学プラントの事例では、冷却水戻り配管にフォールディングフィンを導入したことで、配管外周温度が20℃以上低下。これにより、空冷ファンの負荷が減り、冷却ユニットの電力使用量を削減できました。また、配管周囲の温度低下によって隣接機器の誤動作が防がれ、保守頻度も削減されるなど、省コスト面でも効果を発揮。さらに、施工はわずか30分程度で、設置スペースも配管の外周分のみ。限られたスペースで設計するプラントにおいて、省スペース性という点でも極めて有効な対策となっています。

放熱設計の「柔軟性」がプラント設計の新しい基準になる

プラント設計における今後のキーワードは、「柔軟な放熱設計」です。熱交換器の性能を高めるだけでなく、配管やサブシステムにおける熱の分散・逃がし方までを設計に取り込むことで、全体としてより効率的でトラブルの少ないプラント運用が可能になります。最上インクスのフォールディングフィンは、その柔軟性と実装性から、設計段階でも改修段階でも導入可能な熱対策ソリューションです。省エネ・省コスト・省スペースの三拍子を実現しながら、プラントの信頼性を高める一手として、ぜひ次の設計案件にお役立てください。

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