薄板放熱フィンで配管・放熱管・金型・設備等の熱交換効率拡大

精密な測定と熱管理の密接な関係

2025.7.22

精密測定機器の熱対策に放熱フィンが効果的。熱だまりを防ぎ、測定誤差や装置停止リスクを低減し高精度を維持。

見落とされがちな「熱の管理」

試験・分析・測定機器は、製造現場の品質保証や研究開発の要として、多くの業界で欠かせない存在です。特に近年は、分析精度の向上や測定スピードの高速化が進み、装置の性能そのものが企業の競争力に直結しています。しかし、こうした精密機器の安定稼働を支える基盤技術として見落とされがちなのが、「熱の管理」です。わずかな温度変化が測定結果に影響する中、装置内部や周辺の熱だまり、配管や冷却ラインの放熱不足が、想定外の誤差や装置停止の原因となることがあるのです。高精度な測定には、安定した温度環境が不可欠であり、“熱の設計”も測定精度の一部と言っても過言ではありません。

冷却装置だけでは不十分な現場の温度トラブル

多くの分析機器には、チラーや空冷ファンなどの冷却システムが組み込まれており、一見すると温度制御は万全のように見えます。しかし、冷却された流体を送る配管部分が長距離にわたり装置外を走る場合や、狭い筐体内に密集して配置された場合、その表面から放熱される熱が周囲にこもることがあります。実際に、「装置周囲が思ったよりも熱くなっている」「冷却しているはずなのに測定精度が安定しない」といった現場の声が上がることも少なくありません。これはつまり、“冷やしているのに、逃がせていない”という放熱設計の盲点に起因しているのです。

3種のフィン技術が可能にする、配管からの放熱最適化

このような課題に対し、最上インクスでは3種類のフィン製品を開発・提供しています。
まず、「パイプ・配管 外側巻き付けフィン」は、既存の配管に工具不要で巻き付けるだけで、外周からの放熱効率を高める製品です。冷却水配管や排熱配管の温度を下げ、周囲環境への熱影響を抑えることができます。
次に、「パイプ・配管・流路 内側挿入フィン」は、管内の流体との接触面積を増やし、伝熱性能を高める構造です。これにより、設定温度への到達時間が短縮され、測定の立ち上がり時間が短くなるメリットも得られます。
さらに、「その他 用途 各種フィン」は、測定機器の筐体外装部や大型配管などに使用することで、広範囲に熱を逃がすとともに構造補強にも役立つ製品です。これらの製品は、後付け・軽量・省スペースでの設計が可能で、既設設備の性能向上に寄与します。

導入による精度・省エネ・保守性の向上

ある材料試験機メーカーでは、機器内に組み込まれた冷却水ラインに内側フィンを採用し、設定温度到達までの時間を20%短縮。分析開始までの準備時間が短くなり、測定効率が向上しました。また、巻き付けフィンを筐体外の配管に導入した別の分析装置では、周辺温度の安定化により測定誤差が減少し、再測定率が低下。さらに、スタンダードフォールディングフィンを装置の背面パネルに設置することで、内部部品の熱ストレスを軽減し、基板寿命が延びたとの報告もあります。これらの改善により、機器の省エネ運用・メンテナンスコストの削減にもつながっています。

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