冷凍・空調業界が抱える「熱の出口」問題
2025.9.01

「放熱」という見えない課題
冷凍・空調設備は、私たちの生活や産業を支えるインフラのひとつですが、その裏側では「放熱」という見えない課題が存在します。冷媒を効率よく循環させるには、熱交換がスムーズに行われることが不可欠ですが、配管やコンプレッサー周辺に熱がこもることで冷却効率が下がり、システム全体のエネルギー消費が増大してしまう事例が多く見られます。特に都市型施設や省スペース設計が求められる現場では、放熱の効率化がボトルネックとなっているのが現状です。
配管の熱設計が冷却効率を左右する
冷凍・空調システムにおける配管は、単なる通路ではなく“熱の運び手”としての役割を担っています。そのため、配管の放熱設計を最適化することが、システム全体の効率を左右するといっても過言ではありません。ここで有効なのが、パイプ・配管 外側巻き付けフィンやパイプ・配管・流路 内側挿入フィンの導入です。これらの製品は、配管の内外から熱交換面積を増やし、自然放熱あるいは強制空冷による熱放出効率を飛躍的に高めます。特に既存設備に対しても施工可能なため、改修案件にも柔軟に対応できます。
スタンダードフォールディングフィンが実現する高効率放熱
最上インクスが提供する「スタンダードフォールディングフィン」は、金属を折り曲げた蛇腹状構造により、通常のフィンに比べて格段に広い表面積を確保できる放熱部材です。冷凍機器や空調ダクト、圧縮機出口の高温部に巻き付けて使用することで、熱だまりを防ぎ、機器の寿命延長や電力消費の抑制に寄与します。また、フィンの形状が振動や風の流れにも強く、屋外設置環境でも高い安定性を発揮する点が大きな特長です。施工性にも優れており、複雑な形状の配管にも簡単に取り付け可能です。
省エネと環境負荷低減の両立を実現
冷凍・空調機器における放熱効率の改善は、単なる性能向上にとどまらず、消費電力量の削減=省エネルギー化につながります。たとえば、圧縮機や冷媒循環ポンプの冷却負荷が軽減されれば、それに付随する補助機器の消費電力も抑制できます。その結果、年間のCO₂排出量削減や設備の運転コスト削減にも貢献可能です。持続可能なエネルギー利用が求められる昨今、こうした“配管単位”での熱マネジメントは、設備全体の脱炭素化に向けた重要な一歩となるのです。
冷凍・空調設備の未来に向けた技術提案
冷凍倉庫、食品工場、データセンター、商業施設など、冷凍・空調設備の需要は今後も拡大が予測される中、放熱設計はより高度化・多様化していきます。最上インクスのパイプ・配管 外側巻き付けフィンやパイプ・配管・流路 内側挿入フィン、そしてスタンダードフォールディングフィンは、省エネ・環境対応・施工性の3つを兼ね備えた次世代型放熱ソリューションです。今こそ、目に見えない「熱」の流れに着目し、冷却システムの根幹を支える配管設計を見直すことが、設備設計者やエンジニアに求められています。