薄板放熱フィンで配管・放熱管・金型・設備等の熱交換効率拡大

ヒーター周辺の放熱管理が製品価値を左右する時代へ

2025.6.17

産業用ヒーター周辺の熱だまりを可視化。放熱フィンの効果的な設計により温度分布が改善され、効率と安全性が向上。

総合的な熱設計が求められるように

産業用ヒーターの需要は、加熱・乾燥・温度保持など多岐にわたり、あらゆる業界で活用されています。近年は特に省エネルギーや安全性への関心が高まり、ヒーター単体の性能だけでなく、その周辺構造も含めた熱設計が求められるようになっています。実際、多くの加熱機器メーカーでは、発熱体からの熱を効率的に伝達しつつ、安全に拡散・放散させる設計が課題となっています。ヒーター配管や筐体の外側での熱だまりや不均一な温度分布は、効率の低下や事故リスクにもつながるため、放熱設計の強化は今後の競争力の鍵を握ります。

従来の放熱構造と、進化が求められる背景

これまでヒーターの放熱設計には、ヒートシンクや冷却ファンの搭載、金属ケースの放熱加工などが施されてきました。しかし、これらは装置全体の設計変更を伴うことが多く、既存製品への後付けが困難であること、スペースや重量面での制約があることから、柔軟性に欠けるという課題が残ります。また、発熱効率のみに注目しすぎると、安全性や装置寿命といった側面が犠牲になるリスクもあります。特に近年は「ユーザーが安心して使えるヒーター設計」が重視されており、安全・省エネ・効率の三位一体を実現する新しい放熱アプローチが求められています。

フォールディングフィンによる後付け型放熱強化の提案

こうした課題に対し、最上インクスが提供する「配管巻き付け型フォールディングフィン」は、シンプルかつ効果的な解決策となり得ます。この製品は、金属製の薄型フィンを既存のヒーター配管・筐体・カバーなどの外周に巻き付けるだけで、放熱面積を劇的に拡大できる構造を持っています。工具不要で取り付け可能なうえ、装置設計を変更せずに“後付けで”放熱性能を向上できる点が大きな特徴です。素材にはアルミやステンレスなどを使用し、熱伝導性・耐久性・衛生面でも産業用機器に適した仕様となっています。

実際の活用例と期待される導入効果

例えば、筐体内部にヒーターを内蔵した加熱ユニットにおいて、筐体表面温度が過剰に上昇し安全カバーを必要としていた現場に、フォールディングフィンを設置した結果、表面温度が低下し、火傷リスクの低減と冷却ファンの負荷軽減を同時に達成しました。また、加熱配管ラインにフィンを設置することで、ヒーターの余熱を効率的に拡散し、ライン後半の温度安定性が向上したという報告もあります。導入コストが低く、設置にライン停止を伴わないため、試験導入から全体展開までスムーズに進められるのも導入現場で高評価を得ているポイントです。

熱を「伝える・逃がす」両立が新しいヒーター設計の常識に

ヒーターの進化は「熱を作る」だけではありません。これからは、熱を必要な場所へ届け、不要な熱は安全かつ効率的に逃がす設計が製品価値を左右します。最上インクスのフォールディングフィンは、その「逃がす」部分を最小のコストと手間で実現できる新しい技術です。新規製品の設計時だけでなく、既存ヒーター製品のアップグレード、オプションパーツとしての差別化にも活用できます。今後のヒーター設計において、放熱という“裏側の機能”をいかに最適化するかが、製品全体の評価と選ばれる理由に直結する時代が来ています。

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