技術コラム

見過ごされがちな“配管の熱”が、ユーティリティコストを押し上げる

2026.1.26

工場ユーティリティ配管の高温・熱ロス対策に、放熱フィンを使用すると効果的。蒸気・温水ラインの表面温度上昇を抑え、安全性と省エネを同時に向上。周辺機器への熱ダメージも低減。

ユーティリティ配管の放熱ロスを止める後付けソリューション

工場の稼働を支えるユーティリティ設備は、空調、蒸気、冷温水、圧縮空気、排熱など多岐にわたります。その中で、これらを運ぶユーティリティ配管は「動脈」として重要な役割を果たしています。しかし、稼働が長期間に及ぶ既設工場では、放熱によるエネルギーロスが徐々に蓄積され、ユーティリティ効率の低下を招くケースが増えています。特に蒸気・温水系の配管では、表面温度が高温化し、熱ロスとともに安全性や周辺機器への悪影響が懸念されます。多くの工場ではこの放熱課題に気づいていても、大がかりな配管工事や設備更新が不要な後付け対策が少ないことから、対応が後回しになってきたのが実情です。

放熱による“見えないコスト”と安全リスク

ユーティリティ配管の放熱課題は、単なる熱の損失にとどまりません。配管表面温度が上昇することで、作業者の火傷リスクが増大し、保全作業の頻度や注意義務が増します。また、配管周囲の空間温度が上がることで、空調負荷が増大し、電力消費が無駄に増える原因ともなります。さらに、蒸気や温水が冷えてしまえば、再加熱や追加ポンプ圧送が必要となり、ポンプや熱源装置の稼働時間が延びることでメンテナンス負荷も増加します。こうした“見えにくい熱のムダ”は、長期的に見ると年間数百万円規模の損失につながるケースも少なくありません。放熱対策は単なる設備対応ではなく、省エネと安全性、保守コストに直結する経営課題でもあるのです。

3種のフォールディングフィンによる現場対応型ソリューション

こうした課題に対し、最上インクスが提供する3種の熱対策製品は、既存ユーティリティ配管への簡易・確実な放熱制御策として注目されています。
パイプ・配管 外側巻き付けフィン
柔軟なアルミフィンを既設配管に巻き付けるだけで放熱面積を増大。自然放熱や送風冷却効果が向上し、表面温度を大幅に低減します。工具不要で施工性も高く、短時間で導入可能です。
パイプ・配管・流路 内側挿入フィン
流体と直接接する配管内部に設置することで、熱伝達率を上げ、効率よく温度を均一化します。冷水・温水・排熱回収ラインでの利用が進んでいます。
スタンダードフォールディングフィン
耐候性・耐熱性に優れ、高温・屋外環境でも長期にわたって安定した放熱性能を発揮。工場外壁に沿った配管などでも優れた冷却効果を持ちます。
いずれも後付け可能で、運転停止を最小限に抑えながら導入できるのが大きな強みです。

定量効果と省エネ貢献の実績

ある製造業工場では、蒸気配管に巻き付けフィンを適用したところ、表面温度が20℃以上低下し、周辺空調の設定温度を1〜2℃緩和可能となりました。その結果、年間の空調電力コストが約8%削減され、CO₂排出量も年間12トン削減という副次的効果も得られました。また、配管内側フィンの活用により、冷却水循環の流量を15%削減しながらも温度制御を維持した例もあります。スタンダードフィンに関しては、屋外長距離配管の熱だまりを改善し、凍結防止ヒーターの稼働時間を30%短縮できたという報告もあります。これらはすべて、工場ユーティリティの「熱の流れ」を適切に整えることで得られる実績です。

工場配管における“放熱設計”という新常識

ユーティリティ配管の設計・更新において、「流す・運ぶ」だけでなく、“冷やす・逃がす”という視点を持つことが今後ますます重要になってきます。特に既設配管では、新設のような自由度がない分、後付け可能で、省スペース・省施工で効果を発揮する製品の活用が鍵を握ります。最上インクスの放熱フィンシリーズは、そうした現場の悩みに対して、省エネ・省コスト・安全性をトータルで支える「見えない熱の処方箋」となります。放熱課題の本質を捉え、ユーティリティ配管を賢くアップデートすることこそが、持続可能なものづくり工場への第一歩なのです。

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