薄板放熱フィンで配管・放熱管・金型・設備等の熱交換効率拡大

熱設計が左右するプラントの信頼性と効率

2025.7.31

大規模プラントの配管放熱対策に放熱フィンが効果的。屋外設備の温度上昇を抑え、冷却効率と安全性を維持。

見過ごされがち“配管”の放熱設計

プラントの稼働安定性を支えるうえで、「熱」はきわめて重要な制御対象の一つです。冷却ライン、加熱ライン、プロセス配管、熱交換器、各種ユーティリティ設備において、熱の伝達・維持・放散は、設備の寿命や安全性、生産効率に直結します。しかしながら、装置単体の温度管理が重視される一方で、そのつなぎ目である“配管”の放熱設計は見過ごされがちです。特に老朽プラントや多段階熱プロセスを持つ設備において、配管の放熱不足が「意図しない温度上昇」「冷却効率の低下」「装置の誤作動」といった問題を引き起こすケースが増加しています。

見落とされがちな配管の熱設計とその影響

プラント設計では、熱源装置の選定や熱交換器の設計に注力される一方で、配管の外周からの熱損失や放熱設計は、後回しにされがちです。その結果、冷却水が流れているにもかかわらず装置周辺温度が下がらない、加熱管路の立ち上がりが遅い、配管近傍の電気機器が熱により誤作動する、といった現象が発生します。さらに、高温配管の外周温度が想定よりも高く、作業員の安全リスクや断熱材の劣化を招くこともあります。こうした課題に対し、「配管から熱をどう逃がすか・どう伝えるか」を踏まえた設計が、今後のプラントエンジニアリングに求められています。

最上インクスの3種のフィンが実現する放熱最適化

これらの課題に対する現実的な解決策として、最上インクスが開発した3種類の放熱フィン製品を提案します。
まず、「パイプ・配管 外側巻き付けフィン」は、既設の配管外周に金属製のフィンを巻き付けるだけで、表面積を拡大し自然対流や空冷効果を高めて放熱性能を向上させる製品です。工具不要で短時間施工が可能で、プラント稼働中のまま導入できます。
次に、「パイプ・配管・流路 内側挿入フィン」は、管内に挿入することで流体との接触面積を増やし、伝熱効率を向上。温度制御の応答性を改善し、冷却・加熱双方の効率化に寄与します。
最後に、「その他 用途 各種フィン」は、より高温・高負荷が求められる環境下でも使える放熱補助材で、装置構造の補強と熱分散の両立を可能にします。

実装事例が証明する、省エネ・保全性・安全性の向上

実際のプラント設備に導入した事例では、冷却水ラインの戻り配管に巻き付けフィンを導入したことで、配管表面温度が約25℃低下。これにより、空調機器の負荷が減少し、年間約8%の電力削減を達成しました。また、配管内側フィンを蒸気供給ラインに挿入した別の事例では、加熱立ち上がり時間が短縮し、生産開始までの時間が平均12%改善。スタンダードフォールディングフィンは、ボイラー周辺の高温配管に導入され、断熱材の劣化防止と安全領域温度の維持に貢献しました。これらの成果はすべて、配管設計に対する「熱の視点」を持ち込むことによって得られたものです。

“配管に熱機能を付加する”という新しいエンジニアリング

プラントエンジニアにとって、設計の良し悪しは「安定稼働・省エネ・安全性」に表れます。従来、配管は構造物としての強度や耐食性が重視されてきましたが、今後はそこに**“熱制御機能”をいかに加えるか**が問われる時代です。最上インクスのフィン製品群は、設計の柔軟性を損なわず、後付けで熱効率を大きく改善できるツールです。省エネ、作業環境の改善、設備寿命の延伸、そしてトラブル未然防止に向けて、配管の熱設計を強化することは、プラント全体の性能を底上げする最短ルートといえるでしょう。配管に“放熱という機能”を宿す――それが、次世代プラント設計の新常識です。

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