省エネ化に潜む「熱管理の盲点」
2026.1.07

意外と見落とされがちな配管まわりの熱管理
エネルギーコストの高騰、カーボンニュートラルへの対応、ESG経営の浸透などを背景に、多くの産業分野で省エネルギー化への取り組みが加速しています。LED照明や高効率モーター、インバーター制御、断熱材の更新など、数多くの技術が実装される中で、意外と見落とされがちなのが配管まわりの熱管理です。ボイラー、冷温水ライン、排熱回収装置など、熱を媒介する設備の多くが配管を経由しており、その放熱損失や熱だまりが“エネルギーロスの見えない原因”となっていることがあります。配管自体の熱挙動を正しく理解し、対策を講じることは、省エネの最終工程とも言えるのです。
配管から逃げる熱が“効率”を下げる
例えば、熱媒の配管において外部に熱が逃げてしまえば、目的の設備に届くまでに温度が下がり、必要以上の加熱エネルギーが必要となります。反対に、冷却水ラインでは外部の熱を吸収してしまい、冷却効率が落ちて冷却機の負荷が上がる――こうした現象は、すべて「配管が熱を適切にコントロールできていない」ことに起因しています。また、熱だまりにより配管周辺のセンサーや電装機器が誤作動を起こしたり、配管内部に温度ムラが発生し、製品品質にまで影響するケースも報告されています。配管は“運ぶだけ”の存在ではなく、熱の流れを制御すべき構成要素なのです。
熱の流れを整える3種のフィンソリューション
こうした配管放熱の課題に対して、最上インクスは3つの熱対策製品を提案しています。
1つ目の「パイプ・配管 外側巻き付けフィン」は、既存の配管に巻き付けるだけで、表面積を増加させ、自然放熱や空冷の効率を向上させます。後付けが容易で、省スペースなため、工場ラインの更新・省エネ改修に最適です。
2つ目の「パイプ・配管・流路 内側挿入フィン」は、配管内の流体と直接触れる部分に挿入することで、伝熱面積を拡大し、熱交換効率を飛躍的に高めることが可能です。加熱・冷却を効率よく行えるため、エネルギー投入量の最小化に貢献します。
そして3つ目の「スタンダードフォールディングフィン」は、屋外設置や高温部配管にも対応する堅牢設計で、放熱と耐久性を両立。プラント全体の熱制御における基盤的存在です。
実装で得られる成果と省エネインパクト
実際に省エネ補助金を活用してフォールディングフィンを導入した食品工場では、蒸気配管の放熱ロスが抑制され、年間約8%の燃料削減につながりました。また、配管内側フィンを活用した空調設備では、冷水の供給温度が安定し、冷却装置の消費電力を10%以上削減したというデータもあります。さらに、スタンダードフィンをボイラー出口配管に設置した事例では、配管周辺の温度が平均15℃低下し、周囲電装部品の故障率が大幅に減少しました。このように、熱を制御することが、電力や燃料の使用量を抑え、省エネと保全の両立を可能にしているのです。
配管設計に“省エネ視点”を組み込むという進化
省エネ設計というと、設備更新や機器の高効率化が注目されがちですが、今後は「エネルギーをどう使うか」だけでなく、「どこでムダを出しているか」という視点も重要です。配管という日常的な存在に対し、“熱を流す・逃がす・整える”という熱マネジメント視点を持つことは、コスト削減だけでなく、持続可能なエネルギー利用の礎となります。最上インクスの各種フィンソリューションは、省エネ設計の“最後のひと押し”として機能する技術です。現場に合った熱対策を講じることで、設備のパフォーマンスを最大限に引き出し、地球にも優しい工場づくりを支えていきましょう。
