技術コラム
LNGインフラの課題:見えにくい「熱の管理」
2026.2.16

目次
LNG設備配管のサーマルマネジメント強化で熱制御と効率を最適化
LNG(液化天然ガス)市場においては、超低温(-162℃前後)の液化ガスを高効率かつ安全に取り扱うための技術が日々進化しています。LNGの輸送・貯蔵・気化においては、膨大な熱のやりとりが発生し、その熱制御がエネルギー効率や設備寿命、安全性に直結します。特にLNG気化器や再ガス化設備、タンク周辺の配管では、放熱・保温のバランスが重要であり、配管からの想定外の放熱ロスや結露トラブル、効率低下が現場の悩みとなっています。こうした課題に対し、後付け可能な放熱改善技術が注目されています。
LNG配管における放熱課題の実態
LNGプラントや基地では、冷却・加温の過程で多様な配管が稼働しています。例えば、気化器から供給されるガス配管では加温のための熱保持が必要である一方、圧縮工程や中間冷却ラインでは逆に熱を逃がす放熱設計が求められます。しかし、現場では既設配管が多く、スペースも限られるため、従来のヒートトレースや断熱材では柔軟な対応が難しいケースが多く見られます。加えて、気候条件や風の影響、腐食環境などによって局所的な過熱・過冷やエネルギーロスが発生し、省エネ化を妨げているのが現状です。
最上インクスのフィン製品による解決策
このような課題に対して、最上インクスでは「熱を逃がす/保つ/調整する」ための3種の放熱フィンを用意しています。
「パイプ・配管 外側巻き付けフィン」
工具不要で簡易に既設配管へ装着できるため、放熱を高めたい加温ラインや屋外設置配管に最適です。LNG基地の脱気設備やリジェネレーター周辺において、局所的な熱拡散を実現し、周辺機器の温度上昇も抑制します。
「パイプ・配管・流路 内側挿入フィン」
内部からの熱伝達を向上させるフィンで、配管の外側施工が難しい高密度エリアや機器直結部に有効です。たとえば、LNG気化設備の高圧ラインに適用することで、ガス温度の均一化や加温効率の安定化が図れます。
「スタンダードフォールディングフィン」
腐食環境や極端な気温変化にも対応可能な高耐久仕様で、海岸沿いのLNGターミナルや屋外長距離配管に適応。風雨や潮風による劣化にも強く、長期間のメンテナンスフリー運用が可能です。
実際の効果と省エネのインパクト
あるLNG再ガス化プラントでは、屋外配管に巻き付けフィンを導入することで、空冷効率が向上し、冷却ファンの稼働時間を年間20%削減。また、内側フィンを導入した昇圧ガスラインでは、ガス加温の立ち上がり時間が短縮され、運転の立ち上げコストが15%低減されました。スタンダードタイプは、海岸部で使用される長尺配管に設置され、従来の金属腐食や保温材劣化の課題を大幅に軽減し、年間の保守費用を30%以上削減したという事例もあります。
LNGの未来を支える「配管からのエネルギー最適化」
LNGは今後も、脱炭素時代の移行エネルギーとして重要な位置を占めます。その中で、「見えないところ」でのエネルギー管理、特に配管まわりの放熱対策が効率性や安全性を左右する要素となっていくでしょう。最上インクスのフィン製品は、既存設備への後付けが可能で、スペース・時間・コストを最小限に抑えながら熱制御が可能です。LNGの安定供給と省エネの両立には、「配管」という地味だが本質的な領域の見直しが必要です。その第一歩として、放熱フィンは極めて有効な選択肢になるはずです。