技術コラム
石油プラントに潜む「熱だまり」問題と放熱の必要性
2026.2.24

目次
石油精製プラント配管の放熱設計見直しで安全性と省エネを両立
石油工場では、原油の加熱・精製・分離・貯蔵・輸送といった一連の工程で、大量の熱エネルギーが扱われています。特に配管ネットワークはその熱を伝達・排出する重要なインフラでありながら、「熱がこもる」「冷却が不均一」といった放熱にまつわる課題が見過ごされがちです。設備の高温化は、配管・バルブ・センサーの劣化を早めるだけでなく、安全上のリスクやエネルギーの無駄にもつながります。こうした背景から、熱の「逃がし方」そのものを見直す必要性が高まっています。
放熱課題の現場実態:局所的な高温と非効率な冷却
石油プラントの配管では、加熱炉や熱交換器からの高温流体が長距離を移動します。断熱材で保温されている区間は多いものの、バイパス管・立ち下がり管・屋外露出部などの“熱だまり”となる部分では、温度が過剰に上昇する傾向があります。さらに、放熱の設計が甘いと、冷却ファンや水冷設備が必要以上に稼働し、電力・水使用量が増加、CO₂排出や運用コストが膨らむ要因となっています。省エネ化・安全強化・保守低減を同時に達成するには、効率的な放熱機構の後付け導入が現実的かつ効果的な手段となります。
最上インクスの3種の放熱フィン:現場適応型のソリューション
最上インクスは、配管の放熱に特化した以下の3製品を提供し、それぞれの現場特性に応じて使い分けることで高い効果を発揮します。
「パイプ・配管 外側巻き付けフィン」
既設配管に工具なしで巻き付けられるアルミ製フィン。熱伝導率が高く、放熱面積を拡大することで自然対流を促進します。短時間で施工できるため、日常稼働中のプラントにも非侵襲的に導入可能です。特に屋外露出の配管や、高温バルブ周辺の熱だまり対策に最適です。
「パイプ・配管・流路 内側挿入フィン」
配管内に設置することで、管壁と流体の熱交換を高効率化。外部施工が困難な狭小スペースや、加熱後に冷却が必要な区間(例えば分離塔からの戻り管)などに適しています。腐食性流体にも対応した材質選定が可能です。
「スタンダードフォールディングフィン」
耐食・耐候性に優れた仕様で、沿岸地域や腐食性ガスの多い環境でも長期間の使用が可能。熱の逃がし先が制限される屋内設置配管や高温プロセスラインなどにおいて、劣化なく安定した放熱性能を維持します。
省エネ効果と保守性の向上:実例に見るメリット
ある石油精製工場では、屋外のガス回収ラインに巻き付けフィンを導入した結果、表面温度が平均で17℃低下。冷却ファンの使用頻度が減り、年間電力消費量を8.2%削減しました。また、スタンダードタイプを高温加熱炉付近の配管に導入した別の現場では、断熱材の焼損トラブルがなくなり、定期交換回数を半減。これにより、年間保守費用が約40万円低減したという報告もあります。内側フィンでは、気化装置からの戻り配管に装着した事例にて、装置の温度安定性が向上し、バルブ誤作動がゼロになったという成果も挙がっています。
配管の見直しが、石油プラントの未来を変える
省エネ、安全性、保守性――これらはすべて、石油プラントの競争力を支える要素であり、配管の放熱という“裏方”技術が鍵を握っています。既設設備の大掛かりな改修をせずとも、最上インクスのフィン製品群であれば最小限の手間で最大の効果を発揮します。設計段階だけでなく、運用中の設備にも柔軟に対応できるため、段階的な省エネ化にも好適です。今こそ、放熱の視点から石油プラントの最適化を図ってみてはいかがでしょうか。