薄板放熱フィンで配管・放熱管・金型・設備等の熱交換効率拡大

飲料製造における「熱」の管理は品質と安全を支える要

2025.6.30

飲料製造ラインの熱管理に放熱フィンが効果的。配管の温度上昇を抑え、冷却効率や食品安全を維持し品質を支える。

放熱管理が及ぼす品質の影響

飲料製造の現場では、加熱殺菌・冷却充填・低温保管といった温度管理が製品品質と食品安全の両面で重要な役割を担っています。特に近年では、清涼飲料水や乳飲料、機能性飲料など多様な製品に対応するため、製造ラインの柔軟性と安定性が求められています。そうした中で見落とされがちなのが、「配管まわりの放熱管理」です。実は、冷却水や温水を通す配管の表面温度が高くなることで、ライン周囲の温度上昇、冷却効率の低下、結露や菌リスクの増大といった課題が発生し、製品の品質にも間接的な影響を及ぼす可能性があります。

衛生管理と省スペース性が両立を難しくしている

飲料製造設備では、衛生面を重視した設計が求められます。配管やタンク、制御装置はステンレス製が基本であり、配管に断熱材や放熱補助部材を取り付けること自体が洗浄性や異物混入リスクにつながる懸念を生むこともあります。また、限られた空間に多くの配管が交差する飲料ラインでは、大型の放熱器具を取り付ける余裕がないことも多く、従来の「装置冷却」中心のアプローチでは、配管表面からの熱の蓄積を防ぎきれないケースが増えています。そのため、現場では「冷却装置を強化しても、冷えにくい」「配管が熱くて作業者が触れない」「洗浄後の結露が多い」といった悩みが日常的に聞かれています。

フォールディングフィンで実現する配管まわりの簡易放熱

こうした課題に対して注目されているのが、最上インクス製「配管巻き付けフォールディングフィン」です。この製品は、既存配管の外周に巻き付けるだけで取り付けられる、金属製の薄型放熱フィンです。表面積を拡大することで自然対流による熱拡散を促し、装置を止めずに配管からの放熱効率を高めることができます。素材はアルミニウムやステンレス製で、飲料製造ラインに求められる耐腐食性・清掃性・衛生性にも対応。薄型かつ柔軟に形状調整ができるため、複雑な配管レイアウトにもフィットし、省スペースでの放熱対策が可能になります。

現場導入による改善事例と効果

ある飲料メーカーでは、冷却水ラインの出口配管にフォールディングフィンを設置した結果、配管表面温度が低下し、充填直前の製品温度安定性が向上。これにより、冷却ユニットの稼働頻度が減り、電力消費が削減されました。また、別の現場では、洗浄後の熱交換器からの戻り配管に取り付けたことで、表面温度が下がり、配管結露の発生頻度が半減。それに伴って清掃作業の頻度も減り、労務時間と水使用量の削減が実現されました。いずれも既存設備を一切変更せず、最短1時間程度で施工が完了しており、運用面でも大きな負担を生じません。

清潔・安全・省エネの三拍子を支える“配管の熱設計”

飲料業界では、「見えない熱」への意識を持つことが、製品品質と運用効率を高める第一歩となります。フォールディングフィンは、配管外周から熱を適切に逃がすことで、製造環境全体の温度バランスを整えるというシンプルながら本質的な改善策を提供します。加熱・冷却工程だけでなく、洗浄後や切替運転中にも効果を発揮し、清潔・安全・省エネの三要素を支える基盤技術となり得ます。今後のライン設計・改修計画において、「装置を冷やす」だけでなく、「配管を冷やす」という発想を加えることで、より高い次元の衛生管理と効率的な製造環境が実現できるはずです。

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